ピラティスは体幹強化や姿勢改善に効果的なエクササイズとして多くの方に愛されています。しかし、「ピラティスを始めたら首が痛くなった」「レッスン中に首に違和感を感じる」といった悩みを持つ方も少なくありません。
本記事では、ピラティスで首が痛くなる原因と、安全に続けるための対処法について詳しく解説します。正しい知識を身につけて、快適にピラティスを楽しみましょう。
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ピラティスで首が痛くなる主な原因

ピラティスで首に痛みが生じる原因は複数ありますが、ここでは一般的な原因について解説します。これらの原因を理解することで、適切な対策が可能になります。
間違ったフォームによる首への過度な負担
ピラティスで首が痛くなる最大の原因は、間違ったフォームでエクササイズを行うことです。特に腹筋系のエクササイズで多く見られる「カーリングアップ」動作では、正しいフォームを理解せずに行うと首に過度な負担がかかってしまいます。
本来であれば、背骨をゆるやかに丸めながら頭・首・肩を順番に持ち上げるべきですが、腹筋が弱い初心者の方は頭から先に起き上がろうとして、首だけを急激に曲げてしまう傾向があります。そのため、頸椎への負担が集中し、痛みや違和感を引き起こしてしまうのです。
既存の首の問題や姿勢不良
現代人の多くが抱えるストレートネックや猫背などの姿勢不良も、ピラティス中の首の痛みの大きな要因となります。スマートフォンやパソコンの長時間使用により、本来S字カーブを描くべき頸椎がまっすぐになってしまった状態では、首周りの筋肉が常に緊張しており、エクササイズ時により痛みを感じやすくなります。
また、頸椎椎間板ヘルニアや頸椎症などの既存の首の疾患がある場合、適切な指導なしにピラティスを行うと症状が悪化する可能性があります。このような状態の方は、医師やピラティスインストラクターに相談してから始めることが重要です。
ピラティス中に首が痛くなる具体的な動作
ピラティスの中でも特に首に負担がかかりやすい動作について理解しておきましょう。
腹筋系エクササイズでの問題
ピラティスの代表的なエクササイズであるハンドレッドやシングルレッグストレッチなどでは、カーリングアップの姿勢を維持しながら動作を行います。腹筋力が不足していると、首の筋肉で頭を支えようとして首に痛みが生じます。
特に「顎を引く」という指導を受けた際に、耳の穴を中心とした軽いうなずき動作ではなく、首の中央部分を急激に曲げてしまうことで、頸椎への負担が集中してしまいます。正しいカーリングアップでは、背骨全体がゆるやかなカーブを描き、肩甲骨の下端が床から少し離れる程度まで上がるのが理想的です。
頭部を固定した動作での負担
プランクやサイドプランクなど、頭部を一定の位置に保持する動作では、首周りの筋肉が過度に緊張しやすくなります。特に胸鎖乳突筋や斜角筋などの首の側面にある筋肉が硬くなっている方は、これらの動作で痛みを感じることがあります。
首の痛みを予防するための準備

ピラティスを安全に行うためには、エクササイズ前の準備が重要です。特に首周りの筋肉をほぐし、可動域を確保することで、痛みが発生するリスクを軽減できます。
エクササイズ前の首のウォームアップ
ピラティスを始める前に、首周りの筋肉を十分にほぐしておくことが大切です。やさしいマッサージやストレッチを行い、首全体の緊張を和らげることで、エクササイズ中に正確な動きができるようになります。具体的には、以下のような準備運動を行いましょう。
- 首を前後左右にゆっくりと傾ける動作
 - 耳を肩に近づけるような側屈ストレッチ
 - 肩を上下に動かして肩甲骨周りをほぐす動作
 - 首を時計回り・反時計回りに優しく回す動作
 
これらの動作は、決して無理をせず、痛みを感じない範囲で行うことが重要です。
首の固まりやすい部分の確認
人それぞれ姿勢や動きの癖が異なるため、首の中でも特に固まりやすい部分は個人差があります。後ろ側の首と頭の境目あたりや、首の側面にある筋肉は特に緊張しやすい傾向が強いです。
意外と見落とされがちですが、首の前側も固まっていることが多く、のどぼとけ周りやあごの下などを優しく触りながら、上下左右に軽く動かすことで緊張を緩めることができます。マッサージを行う際は、強くもみほぐそうとせず、やさしく触りながら呼吸を意識して行うのがポイントです。
正しいフォームで首への負担を軽減する方法
首の痛みを防ぐための最も効果的な方法は、正しいフォームでエクササイズを行うことです。特に重要なポイントについて詳しく解説します。
「顎の下にこぶし1つ」の意識
ピラティスでよく使われる「顎の下にこぶし1つ」という表現は、首を曲げすぎないための重要なポイントです。腹筋が弱い方や普段から顔に意識が集中しがちな方は、カーリングアップ時に腹筋を使わずに顔から上がろうとして、顎を引きすぎてしまう傾向があります。
正しい動作では、最初の動き出しこそ顔に意識があっても構いませんが、少しでも頭が上がったら次は首へ、そして背骨へと、ひとつひとつ下の背骨を持ち上げていく意識に切り替える必要があります。
重心を骨盤・脚の方に置く
普段から頭や顔に意識が偏っていると、カーリングアップの際に「頭が重い」と感じることがあります。カーリングアップでは、土台となる骨盤や脚の方に重さを置くようなイメージを持つことで、動かすべき部分を軽くすることができます。意識することで、首への過度な負担を軽減できるでしょう。
全身を伸ばすイメージでのカーリング
首や背骨全体をバキッと曲げてしまう癖がある場合は、「全体を伸ばしながら丸めていく」という意識が効果的です。椎骨ひとつひとつの隙間が広がるように伸ばしながら、大きくゆるやかな弧を描くようにカーリングしていきます。
適度に全体の力が抜けている状態や、適度に全体に力が入って背骨を偏りなく支えている状態を意識することで、伸ばされて動かしやすい背骨の状態を作ることができます。
首が痛くなった時の対処法
もしピラティス中に首に痛みを感じた場合は、無理を続けずに適切な対処を行うことが重要です。早期の対応により、症状の悪化を防ぐことができます。
即座に中断し、安全な姿勢を取る
首に痛みや強い違和感を感じた場合は、エクササイズを即座に中断し、楽な姿勢を取りましょう。無理を続けることで症状が悪化する可能性があります。
痛みを感じた直後は、首を急激に動かさず、自然な位置で安静にすることが大切です。仰向けの姿勢で首の力を抜き、深呼吸を行いながら筋肉の緊張を和らげましょう。
段階的なエクササイズへの復帰
首の痛みが軽減した後も、すぐに元の強度のエクササイズに戻るのは避けましょう。段階的に負荷を上げていくことで、安全にピラティスを継続できます。
まずは座った状態でのカーリング動作から始め、動きや形を確認してから仰向けの動作に挑戦するのがおすすめです。また、頭を手で軽く支えながら行うことで、首への負担を軽減しながら正しいフォームを身につけることができます。
首に負担をかけないピラティスの実践方法

首への負担を最小限に抑えながらピラティスを続けるための具体的な方法について解説します。
インストラクターからの適切な指導を受ける
資格を持ったピラティスインストラクターから直接指導を受けることは、首の痛みを防ぐ効果的な方法の1つです。特に初心者の方は、自己流で行うよりも専門家の指導のもとで正しいフォームを身につけることが重要です。
グループレッスンでも基本的な指導は受けられますが、より詳細な指導を希望する場合は、パーソナルレッスンを検討しましょう。個人の身体の特徴や制限に合わせたプログラムを組んでもらえるため、安全性が向上します。
マシンピラティスの活用
マシンピラティスは初心者にとって特におすすめです。マシンが正しいフォームをサポートしてくれるため、首への負担を軽減しながら効果的なエクササイズを行うことができます。
リフォーマーなどのピラティス専用マシンでは、スプリングの抵抗を利用することで、自重では難しい動作も安全に行えます。特に腹筋力が不足している方には、マシンのサポートにより首への負担を最小限に抑えながらトレーニングできるメリットがあります。
自宅での練習時の注意点
自宅でピラティスを行う場合は、以下の点に特に注意しましょう。
- 動画を見ながら行う場合でも、鏡で自分のフォームを確認する
 - 痛みを感じたら無理をせず、すぐに中断する
 - 首に不安がある場合は、タオルやクッションで首をサポートする
 - エクササイズの強度は段階的に上げていく
 
無理をせず、自分の体調と相談しながら進めることが自宅練習の鉄則です。
首の健康を保つ生活習慣の改善
ピラティス以外の日常生活でも、首の健康を保つための取り組みを行うことで、エクササイズ時の痛みリスクを大幅に軽減できます。
デスクワーク時の姿勢改善
長時間のデスクワークは首への負担を増加させる主要因です。モニターの高さを目線の高さに合わせ、椅子の高さを調整することで、首への負担を軽減できます。
1時間に一度は立ち上がり、首や肩を軽く動かすストレッチを行いましょう。また、スマートフォンを使用する際も、画面を目線の高さに近づけることで、下向きの姿勢を避けることができます。
睡眠環境の見直し
枕の高さや硬さも首の健康に大きく影響します。首の自然なカーブを維持できる枕を選び、横向きで寝る場合は肩幅に合わせた高さの枕を使用しましょう。また、うつ伏せで寝る習慣がある方は、首への負担が大きいため、仰向けや横向きの睡眠姿勢に変更することをおすすめします。
ストレス管理の重要性
首の動きは意思表示と深く関わっており、精神的なストレスが首の筋肉の緊張を引き起こすことがあります。適度なリラクゼーションや趣味の時間を設け、ストレスを適切に発散すれば、首周りの筋肉の緊張を和らげることができます。
ピラティスにおける首の痛みに関するよくある質問
ピラティスにおける首の痛みに関するよくある質問に回答します。
Q. ピラティス初心者ですが、首が弱いのでレッスンを受けるのが不安です
初心者の方こそ、インストラクターの指導のもとで安全にスタートすることをおすすめします。首に不安がある旨を事前に伝えることで、個人に合わせた修正版のエクササイズを提案してもらえます。マシンピラティスから始めることで、より安全にピラティスを体験できるでしょう。
Q. ピラティス中に軽い首の違和感を感じた場合、続けても大丈夫ですか?
違和感を感じた時点で一旦動作を中断し、楽な姿勢を取ることをおすすめします。軽度であっても、続けることで症状が悪化する可能性があるためです。インストラクターに相談し、フォームの確認や動作の修正を行ってから再開しましょう。
Q. 家庭でできる首のケア方法はありますか?
日常的にできる首のケアとして、温熱療法や軽いストレッチが効果的です。入浴時に首周りを温めたり、タオルを温めて首に当てたりすることで血行を促進できます。また、首を前後左右にゆっくりと動かすストレッチを1日数回行うことで、筋肉の柔軟性を保てます。
Q. どのくらいの期間で首の痛みは改善されますか?
軽度の筋肉疲労であれば、数日から1週間程度で改善することが多いです。しかし、症状が長期間続く場合や痛みが強い場合は、医師の診察を受けることをおすすめします。ピラティスを再開する際は、段階的に負荷を上げていくことが重要です。
Q. マシンピラティスとマットピラティス、どちらが首に優しいですか?
一般的にマシンピラティスの方が首への負担は少ない傾向があります。マシンが正しいフォームをサポートしてくれるため、特に初心者や首に不安がある方にはマシンピラティスがおすすめです。ただし、正しい指導のもとであれば、マットピラティスも安全に行うことができます。
正しい知識と準備で安全なピラティスライフを送ろう
ピラティスで首が痛くなる主な原因は、間違ったフォーム、既存の姿勢不良、そして準備不足にあります。正しいフォームの習得と適切な準備を行った上で、ピラティスに取り組みましょう。
資格を持ったインストラクターからの指導を受け、自分の身体と向き合いながらピラティスを続けることで、首の痛みに悩まされることなく、ピラティスの素晴らしい効果を実感できます。健康で快適なピラティスライフを送るために、今回ご紹介した知識をぜひ活用してください。
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この記事の執筆者
ピラティスリフォーマー比較サイト編集部
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